東亜商事|Passion Cellar : 葡萄の大地から
アッシュブルック収穫レポート
アッシュブルックより2010ヴィンテージの収穫レポートが到着しました。 妥協を許さないワイン造りに邁進し、著名ワイン評論家などから 「進化し続けている蔵」と絶賛されている注目ワイナリーの 最新情報をいち早くお届けいたします。
【ASHBROOK ESTATE VINTAGE REPORT 2010】
:Weather conditions (天候)
2010ヴィンテージの天候は下記の点が特に優れていました。
適度な冬の雨は、成長シーズンに必要な水分を土壌に与え、
春の終わり頃の比較的穏やかな天候は、良好な開花と結実につながりました。
春の嵐がおきてしまうと、結実に相当の損害を与えることになってしまいます。
暖かく、晴れた夏は、ブドウに色合いの良さや風味に優れた熟成をもたらしましたが、
短期間の熱波による日照りで、5%のブドウがだめになってしまいました。
収穫時期の温和で乾燥した天候は、最高品質のブドウの収穫に最適な状態でした。
(写真はカベルネ・ソーヴィニヨン)
:Vine growth and Health (ワインの成長と健康)
マーガレットリバーのブドウ畑は、全体的に好天続きでブドウの成長に恵まれました。
温暖な春の天候は、優れた発芽と結実につながり、
適切な土壌水分と充分な日照量が、1月初旬のブドウ成長時に
生産地の広い範囲にもたらされたのです。
開放したキャノピー方式を採用することで、
夏の暑さと海からの風向きが、病気の発生を最小限に抑えたため、
シーズンを通じて病害はほとんど見られず、
収穫時の雨が少なかったことも、ブドウの病害の発生を防いでくれました。
:Fruit development and harvest conditions (ワインの成熟と収穫状況)
例年通りの日当たりと冷涼さ、そして季節はずれの雨がブドウの成長を促進しました。
収穫は2月27日jからはじめられましたが、過去31年間のアッシュブルックの収穫開始時期の
平均とほぼ同じでした。
夏の好天は3月中旬までに収穫された全ての白ブドウに良い成熟をもたらしました。
遅摘みのセミヨンも例外ではありません。
白ブドウはヴェルデーロ、シャルドネ、ソーヴィニヨンブラン、セミヨン、
最後にリースリングの順番で収穫しました。
収量の多い赤ブドウの収穫は、やや涼冷な天候だったため、
3月の第3週から始め、4月中旬までゆっくりと続けられました。
最後のプティヴェルド、及び少量のカベルネ・ソーヴィニヨンを4月13日に収穫。
赤ブドウは、シラーズ、メルロー、カベルネソーヴィニヨン、カベルネフランの順で、
一度に全てのブドウを収穫せずに、異なるブロック、異なる熟成度合いにより
収穫のタイミングを判断しました。
赤ブドウの最後のものは4月13日昼前に収穫され、午後1時30分に作業は終了。
収穫後の数日間55ミリメートル以上の雨が降り続いたが、これを避けられたのは僥倖でした。
:Fruit production and condition(ワインの生産と状態)
2010年の天候は最高といえるもので、これまでに無いほどの収穫でした。
ブドウの状態も31年間の歴史の中で最高に良いものといえます。
全てのブドウは手摘みで収穫を行い、
日本を含む世界中から来ていたバックパッカーを中心に作業をしました。
病害がなかったため、収穫後すぐにブドウをワイン造りに移すことができました。
ブドウと畑の位置により多少数値は異なりますが、
すべての品種の糖度は21.5~25.5の基準レベルに到達。
赤ブドウは、色合い、香り、味のどの状態を見ても秀逸で、 すべての品種で酸味は強めでした。
このことは醗酵する若いワインの、色合いや良い味を保つために極めて重要なポイントです。
:Wine making (ワイン造り)
良い香り、色と自然な酸味を持つ健全なブドウが収穫できると、
ワイン造りは比較的スムーズに・シンプルに出来ます。
白ブドウは、効率よく圧搾が行われ、
発酵も乾燥した状況で、着実かつ迅速に行われました。
シャルドネの半分は、高品質のフランス産新樽を使用して発酵。
収穫後6週間で、ステンレス醗酵の白ワインはボトリングの準備ができました。
赤ブドウは破砕し除梗を行い、その後オープンステンレスタンク(伝統的な技法で)発酵。
果皮の色ととタンニンを十分に抽出する
ために適度に撹拌を行います。
糖分の約半分がアルコールに転化した
時点でポンピングを行いタンクを閉めます。
これにより密閉した状態で発酵が進みます。
すべての赤ワインは発酵後、
オーク樽でマロラクティック発酵を実施しました。
div>
:Young wines (熟成中のワイン)
高品質のブドウの収穫は、高品質なワインを造り出すことにつながります。
すべての白ワインが品種毎のアロマ、味、切れ味を強く主張し、
赤ワインも同様に、深み、かつ鮮やかさを備えた卓越したアロマを持ち
若々しいタンニン、芳醇なアロマが優れたストラクチャを表しています。
2010年ヴィンテージはまず平均以上のヴィンテージとして記録されることでしょう。
2010年ヴィンテージは、白ワインを7月にリリースを予定。
樽およびタンク熟成併用のシャルドネは1年間の樽熟成後、
赤ワインは4年間の樽熟成後のリリースとなります。
素晴らしい気候に恵まれた2010年は、アッシュブルックにとって
グレートヴィンテージになる可能性を秘めているようです。
弊社もお客様にご満足頂けるワインをお届けすることができるよう、
万全を尽くしてまいります。